式場が「4:3でないと上映できない」という理由を考える。

最近続けてあった事案があります。それは式場側が縦横比(アスペクト比)が「4:3でないと上映できない」と言うそうです。

弊社ではもちろん4:3での制作も可能ですが、結婚式以降も大切な思い出になる映像ですので、基本的にはテレビの画角に合う16:9で作られるのが新郎新婦様にとって良いことだと思います。では4:3でないと上映できない理由とは何なのか考えてみたいと思います。

まずは映像環境の歴史を整理します

昔テレビの画角は4:3でした。正方形に近いものですね。これは歴史を遡ると、あのエジソンの会社でディッキンソンという人物が作った人類史上初の映像が4:3だったからだそうです。

その後長く4:3が世界的に主流でしたが16:9という画角が、人間の実際の視野に近く、もっとも見やすいという理由から16:9が採用され主流となりました。4:3から16:9に切り替わった時代は1990年からで21世紀初頭には16:9が主流となり、今では4:3の映像作品に触れることはありません。

すでに終わった規格4:3を採用する結婚式場の理由とは

つまり16:9に切り替わってすでに20年ほど経過しているわけですが、未だに「4:3でないと上映できない」という結婚式場の理由は何なのでしょうか?その理由を考察してみました。

①プロジェクターが16:9に対応していない?

プロジェクターが16:9に未対応の可能性は99.999%ないでしょう。弊社も業務上多くのプロジェクターに触れてみましたが16:9に対応していないプロジェクターは見たことがありません。メーカー終わった規格である4:3しか対応しない機種をあえて作ることはありえません。つまりもし本当に式場のプロジェクターが16:9に対応していないのであれば1980年代以前のプロジェクターを使っていると思われます。ものを大切にする式場さんで好感が持てますが、そろそろ買い替えをおすすめしましょう…

②指示を少しでも多くし、自社提携店での制作を勧めるため?

これは少しあり得るかもしれません。映像に限らず式場は多くの物事で提携店の利用を勧めます。勧めるどころか、提携店指定のことも多いです。例えば衣装、例えばお花、例えば引出物、あらゆるアイテムが提携店指定だったりします。映像制作を提携店指定にしている式場さんは少ないようですが、できるだけそうしようとしているのかもしれません。

③単なる怠慢、知識不足?

実際のところは、これだと見ています。弊社もたまに式場さんと連絡を取り合うことが多いのですが、怠慢や知識不足を感じることはしばしばあります。結婚式に関わるプロであればもう少しエンターテインメントに関する知識を持っていてほしいところですが…

もし「4:3でないと上映できない」と言われた場合は、上記の歴史や現在の状況などを説明して本当に16:9に対応していないのか問い詰めると、変わってくると思います。実際過去に「4:3でないと上映できない」と言っていた式場に再度確認した場合、100%「16:9でも可能です」という答えが返ってきています。